SES単価から年収を計算する方法|還元率と単価の内訳を正しく理解する
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SESで働いているエンジニアが「自分の単価はいくらか」を知ったとき、次に気になるのは「で、その単価って年収に換算するとどのくらいになるの?」という疑問だと思う。
上のツールを使えば、月額単価と還元率を入力するだけで想定年収が計算できる。逆算モードでは「年収○○万円を実現するには単価がいくら必要か」も出せるようにした。
ただ、数字を使うだけなら電卓でもできる。この記事では、計算の前提となる「還元率とは何か」「単価の中身は何でできているか」をちゃんと理解した上で、転職判断に使える話をしたい。
還元率とは何か
還元率とは、月額の客先単価のうち、エンジニア本人の給与として支払われる割合のことだ。
計算式はシンプルで、「月額取り分 = 月額単価 × 還元率」になる。月額80万円の案件で還元率が60%なら、あなたの手元には月48万円(額面)が渡る計算だ。
なぜ会社によって定義がバラバラなのか
ここが少しやっかいで、「還元率○%」という数字の意味は会社によって異なる。主に2つの解釈がある。
① 額面月給 ÷ 月額売上
一番シンプルな定義。あなたの税引き前の月給を、客先から受け取る月額売上で割った値。
② 額面月給 ÷(月額売上 − 会社負担の社会保険料)
社会保険料(健保・厚生年金)の会社負担分を「会社が代わりに払っている給与の一部」とみなして控除した後の数字。同じ単価・同じ給与でも、こちらの方が還元率は高く見える。
どちらが正しいという話ではないが、会社が「うちは還元率70%です」と言うとき、どちらの定義で言っているかによって実質的な給与水準はかなり変わる。ツールでは①の定義(月額取り分 ÷ 月額単価)を採用しているので、会社の提示する還元率の定義を確認した上で参考値として使ってほしい。
月額単価の中身を分解する
SES会社が客先から受け取った売上の中身を大まかに分けると、以下のようになる。
| 費目 | 内容 |
|---|---|
| あなたの給与(額面) | 月給として手元に入る分 |
| 会社負担の社会保険料 | 健保・厚生年金の会社折半分。おおむね給与の15〜17%程度 |
| 会社の諸経費 | 採用費・オフィス・研修・営業コストなど |
| 会社の利益 | 純粋な利益として残る部分 |
単価80万円の案件で還元率60%(月給48万)の場合、会社側の32万円は上記の経費・社保・利益で消えていく。SES専業の規模が大きな会社は採用・研修に投資していることもあるが、中小の会社で経費が見えにくい場合、この部分が利益として積み上がっているケースもある。
「会社がいくら抜いているか」より「自分の市場価値はいくらか」に焦点を当てた方が転職判断は前に進みやすい。
還元率の実態——何%が「普通」なのか
SES業界に長くいる人間の肌感覚として、大まかな相場観はこんな感じだ。
- 50〜55%:低め。管理が手薄だったり、転売(再派遣)が挟まっている可能性がある
- 60〜65%:業界平均前後。大手SES会社のレンジ
- 70〜75%:高め。エンジニアの取り分を増やす方針の会社か、フリーランス的な業態
- 80%以上:エージェント型・マッチング型の会社か、限りなくフリーランス寄り
ただし、還元率が高い=条件が良い、とは限らない。「還元率75%だけどベース給が低い」より「還元率60%でも単価が高い」方が年収は上になる。早見表で単価と還元率の掛け算を俯瞰してほしいのはそのためだ。
自分の月額単価を知る方法
実は、自分がSESとして常駐している案件の月額単価を知らないエンジニアは少なくない。契約は会社対会社で行われ、エンジニア本人には通知されないケースがほとんどだからだ。
直接聞く
一番確実なのは、上司や人事に「私の案件の月額単価を教えてもらえますか?」と聞くことだ。開示してくれる会社は増えてきている。単価の確認は「自分の市場価値を把握したい」という、至って真っ当な動機で聞ける。
間接的に推測する
聞きにくい場合、次の情報から逆算できることがある。
- 求人票や他のエンジニアの証言:同レベルのスキルセットで提示される単価感
- 転職エージェントへの相談:「自分のスキルだと市場では月額いくらぐらいになりますか?」と聞けば、エージェントは普通に教えてくれる。転職する気がなくても、相場観を知る目的で話を聞きに行って構わない
- フリーランス案件の掲示板:レバテックフリーランスやMidworksなどに掲載されている案件の単価感を見ると、正社員のSES単価のイメージがつかめる
計算結果を転職判断にどう使うか
このツールが一番役に立つのは、「現在の単価と還元率から出た年収」と「転職先の提示年収」を比較するときだと思っている。
たとえば、現在の単価が70万・還元率60%なら想定年収は504万円。転職先から「520万円で」というオファーが来たとき、それは実質16万円の改善だ。微増だが転職コストに見合うかどうかは状況次第。
一方で、単価を90万に上げられる交渉(あるいは転職先での単価アップ)ができれば、還元率60%でも648万円になる。年収改善を狙うなら還元率交渉より単価の引き上げを狙った方がレバレッジが大きい、というのは覚えておく価値がある。
「今の自分の市場価値(単価)はいくらか」「会社はそのうちいくらを還元しているか」の2軸で現状を整理すると、次の一手が見えやすくなる。
転職エージェントに話を聞きに行くのは、転職を決めてからではなく「整理しながら」の段階でも構わない。自分の単価を知ること自体が、交渉や意思決定の材料になる。
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計算してみて「単価の割に年収が低い」と感じたなら、原因はスキルではなく還元率の構造かもしれない。還元率の高い会社への転職に加えて、そもそも客先常駐のない社内SEという選択肢もある。関東・関西圏(および北海道)在住のITエンジニアなら、社内SE転職ナビで社内SE・自社開発求人を無料で探せる(面談サポートあり)。
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注意事項・免責
本ツールの計算式は「月額取り分 = 月額単価 × 還元率」という単純モデルを採用しています。実際の給与計算は会社の規定、雇用形態、各種手当、社会保険の扱いによって異なります。本ツールの計算結果は参考値であり、特定の雇用条件や処遇を保証するものではありません。
また、還元率の定義は会社によって異なるため、会社が提示する「還元率○%」の定義を必ず確認した上でご活用ください。



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